サマリー
55歳からの資格取得で変わった、学び・人脈・生きがいのリアル
「いまさら勉強してもどうする?」──そんな疑問に、55歳で中小企業診断士・FPの資格を取得した筆者自身が答えます。資格取得で得たのは「稼ぐ力」だけではありませんでした。勉強会での継続的な学び、同じ志を持つ仲間との人脈、そして「チャレンジしたい」という意欲。NISAやiDeCoで金融資産に投資するのと同じように、自分自身に投資するという考え方を、周りのシニア世代の事例も交えながらお伝えします。
「いまさら学んでも」の正体
NISAやiDeCoで資産形成を着実に進めてきた50代が、なぜ自己投資には踏み切れないのでしょうか。相談を受けていると、「費用対効果が見えない」「年齢的に遅いのでは」という声をよく聞きます。
金融投資なら、投じた額と増えた額を数字で確認できます。でも自己投資の「回収」は、何で測りますか?新しいことにチャレンジすることで、新しい人生の1ページが広がる。──そうした生活の質や生きがいも、立派なリターンではないでしょうか?
55歳からの資格取得で変わったこと
筆者は54歳でリストラに遭い、27年働いた会社を辞めました。55歳から中小企業診断士と簿記、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格取得に挑んだ話は以前のコラムでもお伝えしました。勉強期間は、雇用保険受給の1年間。費用は学校代・テキスト代・受験料を合わせて約60万円。失業中の身には、決して小さな投資ではありませんでした。
受講中の1年間は、とにかく資格取得を目標にがんばれました。でも、資格が取れたのに仕事はない。それがかえって次のステップにつながりました。中小企業診断士もFPも、資格取得後に加入する勉強会が数多くあります。資格をとって終わりではなかったから、毎月、学び続け、人脈を広げることができ、その結果、少しずつ仕事につなげることができるようになりました。
更なる自己投資へ
仕事につながっても、それで終わりではありません。実務に取り組むと「まだまだ足りない」と痛感することばかり。気がついたら、学びたいことが次々と出てきます。
そしてそこには必ず、同じ境遇の仲間がいます。年齢も経歴も違うけれど、新しいことに挑戦している。その仲間との情報交換や、一緒に仕事に取り組む経験は、お金には換えられない財産です。
オンライン、デジタル、AI──正直、ついていくのが大変なときもあります。でも「大変だからやめる」より「どう使えるか」で、もっと仕事の幅が広がる。そう思えるようになったのも、学び続けてきたから。
学びに終わりはないし、完璧にならなくていい。少しずつ、自分のペースでチャレンジするだけ。昨日の自分より少しでも前に進んでいたらOK!
人生の誤算が、最高の転機になった
お金の準備ができている50代なら、学ぶのもお金にならなくてもいい。自分の人生を豊かにする、誰かのお役に立てる、そんなことでワクワクできたら、元気でいられる。心が元気なら、体も元気でいられる。50代からの学び直しは、そのための、もう一本の柱だと思っています。
リストラに遭わなかったら、今ごろどうしていたでしょう。予定通り定年退職して、老後の資金は準備できた。でも、することもなく、孫の子守をしている毎日だったかもしれません。
大好きだった会社に梯子を外されたからこそ、今、こうして人脈を広げながら、自分らしい生活ができている。あのとき背中を押してくれた会社の決断に、今は感謝しています。