2019/05/06糖尿病のまん延に技術革新で立ち向かう

2019/05/06糖尿病のまん延に
技術革新で立ち向かう

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今世紀の最も大きな健康問題のひとつである糖尿病。日々の生活にも影響を及ぼす糖尿病の患者数は、現在世界で4億2500万人に上ります。その数は着実に増え続け、2040年までには世界人口の1割にも迫ると見られています。

糖尿病には複数のタイプ

糖尿病になると異常な高血糖状態が慢性的に続きます。これは細胞によるグルコースの取り込みと貯蔵に必要な膵臓ホルモンであるインスリンが不足する、または働きが悪くなることが主な原因です。

一般的に糖尿病は1種類と思われがちですが、実際はそれぞれに全く異なる発症理由を持つ2つの種類に分けられます。まず糖尿病全体の1割を占める1型糖尿病は自己免疫疾患で、通常、小児から青年期の若い世代に発症します。インスリンを分泌する膵臓細胞が自己免疫により徐々に破壊され、機能不全に陥ることが原因です。

一方、糖尿病全体の9割を占める2型糖尿病は、成人を中心に発症する最もよく知られているタイプの糖尿病です。主な原因としては、家族歴、偏った食事、運動不足、肥満があります。不摂生な生活習慣によってインスリンの分泌が不足していき、次第に膵臓の機能が低下、最終的にはインスリンを十分に産生できなくなります。

糖尿病のまん延がもたらす人的・経済的影響は深刻

糖尿病患者は血糖値の安定に常に努めなくてはなりません。高血糖状態が慢性化するとやがて血管病変が広範囲に及ぶようになり、心臓、眼、腎臓、神経系が侵されていきます。実際、糖尿病は循環器疾患、失明、腎不全、下肢切断の主な要因のひとつになっています。

糖尿病による合併症で死亡する人は2017年には400万人に上りました。これは8秒間に1人の割合で命が失われていることを意味します。全世界の死亡者の10.7%は糖尿病に起因しており、これはエイズ、結核、マラリアの三大感染症による死亡者数を上回っています。

糖尿病は健康面での問題のみならず、保健医療制度にも多大な経済的影響をもたらしています。糖尿病関連の年間医療費は世界の医療費の12%、約7400億ユーロ(約89兆円)にも達します。

糖尿病の制圧に希望をもたらす新技術

こうした危機的な数字を目の前にして期待されるのが、糖尿病の発症予防や合併症の減少に重要な役割を果たすであろう新技術の登場です。そのための大きな課題のひとつが、合併症の発症を防ぐまたは遅らせるために、患者の血糖値を長期にわたってコントロールできるようにすることです。

腕に装着したセンサーで血糖値を常時測定できる技術が開発されたことは大きな進歩です。センサーをスキャンするだけで患者はスマートフォンで血糖値をリアルタイムで確認でき、それに応じてインスリンの量を調整することができます。こうした技術は単に日々の測定を楽にするだけではありません。多くの研究によれば、この方法を用いている患者は、スキャン数が1日に13回に及ぶなど血糖の管理により積極的で、その結果、血糖値が大幅に改善し、循環器疾患の発症リスクを減らすことができたのです。

今後も技術が進んでいけば、血糖の管理は人間に代わって複雑な学習アルゴリズムに基づく人工知能(AI)が行うようになり、将来、糖尿病は血糖値の管理すら心配する必要のない病気になるでしょう。センサーとインスリンポンプを組み合わせたAI管理システムで、人間が介在することなく血糖値を自動的に測定し、適切なタイミングで適切な量のインスリンを投与できるようになると考えられます。これは、現在進められている人工膵臓開発の最終目標でもあります。この開発を先駆けて行っている企業のひとつが、クレディ・アグリコルがパリに設立したインキュベーション施設、Le Village(ル・ヴィラージュ)に拠点を置くスタートアップ企業、Diabeloop(ダイアベループ)社です。研究開発を進めている同社からは、非常に期待の持てる初期結果が報告されています。

しかし、食事や運動など、血糖値に影響を与える外生的要因を考慮しながらAIが独自に血糖をコントロールできるようになるには、まだ多くの課題が残されています。AIによる血糖管理という目標を実現するには、アルゴリズムが血糖値というひとつの変数だけに注目するのではなく、多方面からアプローチを行い、個々の状況に応じて総合的な判断を下せるようにならなくてはなりません。糖尿病の治療と管理には、食事や睡眠パターンといった患者の生活習慣、心理状態、病気に直接的・間接的に影響を与える多様な要因をアルゴリズムが把握できるようになることが大事です。さまざまな要因を結びつけることで生まれる膨大なデータをアルゴリズムに投入し、そこにすべての検査結果、分析、医師の報告書、遺伝子データを盛り込んで、患者のプロファイルをできる限り完全なものに近づけていくことが重要となります。

この課題を克服すれば、アルゴリズムが糖尿病の抑制に大きな役割を果たすことになるでしょう。合併症を防ぐため、長期に及ぶ病気に患者の生活習慣がどう影響するのか、的確に判断しながら予測的な行動を取り、個々に合った対策(プレシジョン・メディシン:精密医療)を提供できるようになると考えられます。

クレディ・アグリコル テレコム部門シニアアドバイザー
ジュリアン・ガモン

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