2019/04/25エネルギー最適化航空機を目指して

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航空業界は地球温暖化が問題になるずっと以前から省エネルギー対策に真剣に取り組んできました。機体の軽量化とエンジンの高効率化により、旅客人キロあたりのCO2排出量も、1960年代初頭と比べて80%減少しています。現在、最も燃費効率の高い航空機の燃料消費量は、旅客1人につき100キロメートルあたりで2.5リットルをわずかに超える程度です。この結果、民間航空機のCO2排出量は地球全体の排出量のわずか2%になっています。

環境負荷の低減に取り組む航空界

国際民間航空機関(ICAO)では、航空輸送量が右肩上がりを見せる中、CO2排出量を2020年の水準に保つこと、さらに、2050年までには対2005年で50%削減することを目標に掲げています。機体の製造に関する取り組みでは、各航空機メーカーは機体のリリース後も環境負荷軽減のための改良に継続して取り組んでいます。たとえば、新エンジンを搭載したエアバス社のA320 neoは、最初のモデルから燃料消費量が20%削減されています。

現在ICAOでは、フランス民間航空研究委員会(CORAC)に委託して、エンジンの効率化、機体の軽量化、電気推進技術とバイオジェット燃料の開発など、環境負荷低減のための研究を進めています。

エネルギー最適化航空機

航空機のエネルギー消費量の削減を目指す中で、エネルギーを最適化する航空機の開発は当然の流れであり、CORACは2019年3月に公表した技術ロードマップでもこの開発を3つの優先研究課題のひとつに挙げました。

フランスのサフラン社では、現在、従来のターボジェットよりもケロシンの使用量を30%抑えたエンジンを開発中です。「オープンローター」として知られるこのエンジンは、欧州クリーンスカイ計画の一環として2008年から開発が進められ、今は南仏のイストレで実証試験が行われています。エアバスとボーイングの両社が狭胴型航空機のラインナップを更新する2030年までに実用化することを目指しています。このエンジンは従来のものより静音性がはるかに向上しているのもポイントです。

機体の構造についても、エアバスは引き続き実験を行っています。中でもA340を使った層流翼実証計画BLADEでは、層流翼の効果で摩擦抵抗を50%減らし、CO2排出量を5%削減することを目指しています。

一方、電動航空機の分野では旺盛なパイオニア精神の下、多彩なコンセプト機が登場しています。スイスで開発されたプロペラ機「ソーラー・インパルス」は、太陽光を動力源とする4基の電気モーターを搭載し、世界一周飛行にも成功しました。エアバスも、シーメンス、ロールスロイスと共同で、ハイブリッド電動飛行機「E-Fan X」を開発しています。

地上での取り組み

空の上ではジェット燃料であるケロシンの消費量の抑制、飛行経路の最適化といった取り組みが行われていますが、地上においても、あまり知られていないながらも同様に重要な取り組みが2つ実施されています。

空港では飛行機のタキシング時や駐機中に補助エンジンから排出される二酸化炭素、窒素酸化物、粒子の量が全体の排出量の4分の3を占め、揮発性有機化合物にいたっては約95%に上ります。こうした状況を改善するため、タキシング時間の削減と併せて現在2つの技術について実証実験が進められています。

一つ目は長距離航空機を受け入れる主要空港に有効な、画期的な牽引車「TaxiBot」です。航空機地上支援機材を扱うTLD社が開発したディーゼル・エレクトリック方式のTaxiBotは、補助動力装置(APU)は稼働させながら、航空機の主エンジンは切ったまま牽引が可能なため、離陸の2、3分前まで主エンジンを稼働させる必要がありません。

二つ目の技術は短・中距離航空機に有効な方法で、現在A320を使って実証実験が行われています。「Electric Green Taxiing System」はサフラン社とハネウェル社の合弁事業として開発が進んでいる、環境に優しい電動式のタキシング装置です。APUの電力を使用して降着装置に取り付けられたモーターを作動させることで、航空機が主エンジンを使用することなく自力でタキシングできるようになるものです。

航空は大量輸送が目的ですが、これまでにも研究開発投資によって革新を呼び込み、常に新境地を開くことに貢献してきました。現在も航空分野ではさまざまな環境対策が進行中です。それが効果を生むかどうかは、プロジェクトに参加する当事者間の協力にかかっています。

クレディ・アグリコル シニア産業アナリスト
パスカル・ロンボー・マヌギアン

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