2018/10/10生涯にわたって中心的な役割を果たす教育

2018/10/10生涯にわたって
中心的な役割を果たす教育

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生涯学習は、先進国では技能の需給ミスマッチを解消するための解決策のひとつになっています。さまざまな意味で、教育はより中心的な役割を果たすようになり、経済的な面からもその必要性は着実に高まっています。この背景にあるのは経済における技術変革、そして人口の高齢化です。

「技能のミスマッチ」問題

近年、先進国では労働市場に改善が見られ、失業率も大幅に低下しています。しかし、技能の需給ミスマッチなど労働市場の構造問題は依然として残っています。今、経営者は必要な技能を持つ人材の確保に必死です。欧米の企業に対して、直面する最も深刻な問題は何かと尋ねたところ※1 、一番多かった回答は需要の不足でも過度の規制・税制でもなく、適切な技能を持つ人材が見つからないということでした。

「米国では失業者600万人未満に対し、求人は700万人以上」

こうした好況にも関わらず失業者がいなくならない理由のひとつに、企業が必要とする技能を持つ者がいないということがあります。これは「技能のミスマッチ」と呼ばれる現象です。

この技能のミスマッチの解消策のひとつが生涯訓練です。これからご紹介するように、現在の大きな流れは、生涯訓練の必要性を後押しするものになると考えられます。

長寿社会の到来で生涯学習の需要が高まると予測

老齢年金の財源確保のため、各国政府は平均寿命の上昇を背景に、退職年齢を徐々に引き上げようとしています。

65歳以上の労働参加率(人口に占める就業中または求職中の人の割合)は2010年末から5ポイント超上昇し、全人口の4分の1近くに達しています。一般的に、人口の高齢化は職業人生が長くなることを意味します。たとえば米国では2000年代初め以降、70歳以上の労働参加率が着実に上昇しています。国際労働機関(ILO)の予測では、2030年までに米国、英国、ドイツの65歳以上の参加率は大幅に増加すると見られています。特に、労働市場にいる期間が長いほど、社内異動、他の会社や産業分野への転職など、仕事が変わる機会が増えることになります※2。そして、仕事を変わる機会が増えれば、新しい仕事に見合った技能を身につける必要性が高まることにもなります。英国政府の諮問機関、政府科学庁が発表した報告書『The Future of Skills and Lifelong Learning』(技能と生涯学習の将来)には、「経済的安定は仕事を生涯持つことによって得られるのではなく、生涯学習を通じて技能を維持・更新できる能力を持つことによって得られる」と書かれています。

技術の変化で技能の陳腐化が早まる

言い換えれば、技能は次第に古くなっていき、企業のニーズからずれていくということです。エコノミストの言葉を使うならば、「人材の崩壊」(human capital erosion)と表現できるかもしれません。欧州連合の機関である欧州職業訓練開発センター(CEDEFOP)は、技能の陳腐化は産業構造改革に加えて、新技術に強く依存する分野(情報通信技術、金融、学術研究など)での技能変化の結果であるとし、こうした分野では、技能が急速に陳腐化しやすくなっているとしています。

「EU域内の成人就業者の46%が、自分の技能が今後5年以内に古くなってしまう可能性がある、またはその可能性が高いと考えている」

事実、技能の陳腐化に対する認識は、技能訓練の需要を押し上げていることがわかっています。この傾向は、特にコンピューターツールに大きく依存している分野では顕著です。勤続年数の長い従業員にとって、訓練を受けないことはすなわち、職を失う可能性が高くなることでもあります※3。さらに、すべてまたは一部でも自動化が導入されることで、従業員は新しい役割、場合によっては新しい分野にも慣れなくてはいけなくなり、訓練の必要性が現在から将来にわたって高まっていくことになります。たとえば、OECDは域内全体で14%の仕事が自動化される可能性があり、さらに32%の仕事のやり方が大幅に変化すると予測しています※4

世界的にも自動化とロボットの導入により、なくなる仕事や、逆に新たに生まれる仕事が出てくるでしょう。特にこれからの技能は、現在の技能とは異なるものになります。マッキンゼーの予測によれば、自動化が急速に進んだ場合、2030年までに米国の労働人口の3分の1は仕事を変える必要があるとしています。これは生涯学習と再教育の必要性を高めるものになるでしょう。

生涯学習は、技術変革と高齢化社会を背景に、経済的な面からもこれからますます必要性が高まっていくと考えられます。欧州ではノンフォーマル教育が急速に普及しています。欧米各国の政府も生涯学習の必要性を認識しており、政府の強い意思決定によって、この傾向はさらに拡大していくと考えられます。

※1 米国については全米自営業者連盟(NFIB)の調査、ユーロ圏については、ユーロ圏企業の銀行借入に関する欧州中央銀行の調査(Survey on the Access to Finance of Enterprises in the Euro Area:SAFE)に基づいている。

※2 リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(原題:The 100-year life、東洋経済新報社刊)等を参照。

※3 Allen J., A. De Grip “Does skill obsolescence increase the risk of employment loss?”(技能の陳腐化は失業リスクを高めるのか)Applied Economics, 2012.

※4 “Policy Brief on the Future of Work: Putting faces to the jobs at risk of automation”(仕事の自動化リスクに直面する)OECD, March 2018.

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