2020年12月3日〜2021年1月31日
日本経済新聞電子版広告特集にて掲載

岩永泰典氏の写真

提供:アムンディ・ジャパン

責任投資のパイオニアアムンディ・ジャパンに聞く

ポストコロナ時代の資産運用とESG

アムンディ・ジャパン
チーフ・レスポンシブル・
インベストメント・オフィサー

岩永 泰典氏 CFA

アムンディ・ジャパン
株式運用部長

石原 宏美

石原宏美氏の写真

企業のESG(環境・社会・ガバナンス)に対する姿勢を評価する投資が世界の潮流になりつつある。日本では、政府が温暖化ガス排出量「2050年ゼロ」目標を掲げるなど、国を挙げたESGへの取り組みが進む。一方で、ESGを重視した経営を行う企業は、新型コロナウイルスのような予期せぬリスクへの耐性が高いことも指摘される。企業のESGへの取り組みが株価形成に与える影響は、今後ますます強まっていくだろう。世界でもいち早くESG投資に力を入れてきたアムンディ・ジャパンにESG投資の要点を聞いた。

#1 ポストコロナ時代のESG

日本のインベストメントチェーンはいま気付きのフェーズにある

世界的に経済や企業のサステナビリティーが重視される中、日本でもESG(環境・社会・ガバナンス)に対する関心が高まっています。日本におけるESGの普及状況や取り組みをどうご覧になっていますか。

岩永ESGへの意識は高まりつつあるものの、インベストメントチェーンの立場によって認識のレベルや具体的な行動は異なっています。例えば、企業であれば気候変動が自社のビジネスに与える影響についての認識を深めていますが、情報開示の具体的な取り組みに関しては、まだ試行錯誤しています。一方で、多くの機関投資家は、企業が発信するESGに関する情報をどう投資判断につなげていくべきか、ようやく具体的に考え始めるようになった段階です。

2018年の世界の責任投資残高は、25.6兆ユーロ(約3100兆円)あるといわれ、そのうちの約46%、11.7兆ユーロ(約1400兆円)を欧州が占めています。一方、日本では1.8兆ユーロ(220兆円)で世界に占める割合は7%程度です。過去の2年間の成長率は著しいものの、運用規模はまだまだ欧州に遠く及びません。

ESGは機関投資家・リテール投資家にとって主流に

出所 : Global Sustainable Investment Alliance 2018 上記は例示であり将来変更されることもあります。 ※1ユーロ=124円で換算。

この差はどこから生じているのでしょうか。

岩永欧州は10年以上前から低炭素社会への移行を念頭に、持続的成長のためのルール作りを実践していることが大きな要因だと考えます。達成すべき課題や情報開示の在り方が明確に定義され、なおかつ一定の強制力を持つ中で、インベストメントチェーンの当事者がそれぞれの立場でESGに取り組んでいます。対する日本では、プリンシプル・ベースで求められていることについて、当事者それぞれが周囲の状況を伺いつつ行動している状況です。

とはいえ、日本のESGはいま、大きな変化の時を迎えていることを実感しています。まず何よりも、新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちに多くの気付きをもたらしました。企業にとっては、サプライチェーンの途絶をはじめ、従業員やその家族の健康が危機にさらされたことをきっかけに、自社のビジネスモデルや働き方を見直すことになりました。我々、運用の世界でも、これまでとは質の異なるリスクに対処しなければならない現実を突きつけられました。日ごろリスクとして意識していないことがある日突然、ビジネスや経済に大きな影響を及ぼすという意味では、ESGの「E」に含まれる気候変動も今回のコロナと共通する部分が多分にあるように感じています。

その意味で、いまインベストメントチェーンを俯瞰(ふかん)してみると、日本のESGは重要な気付きのフェーズにあると考えています。さらに、菅義偉首相が20年10月の所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言したことも、日本におけるESG経営ないし投資の普及を加速させる重要な原動力になるものと期待しています。

#2 アムンディのESG投資戦略

想定外のリスクが顕在化する局面では「S」への取り組みが一層重要になる

ESG投資という観点ではいかがでしょうか。コロナ禍を境に変化はありますか。

石原投資家サイドの変化で言うと、今年は、ESGファンドへの資金流入が一般的な株式ファンドを大幅に上回りました。恐らくコロナ禍によって投資家の中でもESGへの関心や注目は高まっており、「投資をするならESGを考慮したファンドに投資したい」というニーズが高まっているのでしょう。今後もこの傾向は継続すると考えられ、市場の価格形成においてESGを重視する潮流は加速すると考えます。

当社は、企業の持続性を見極める上でESGの視点をすでに重視していたので、コロナ禍を境に変化したことはありません。とはいえ、投資家や世の中のESGに対する関心が高まったのは事実ですし、コロナ禍がこれまでとは異なるリスクへの気付きを与えるきっかけになったのも確かです。サプライチェーンが機能不全に陥ったり、従業員の安全管理が意識されるようになったりするなど、企業が予期せぬリスクへの耐性を高めるには、ESGの要素が重要であることが明らかになりました。

今後は、どの要素に注目されていますか。

石原ESGの中でも「S」の重要性が高まると考えています。なぜなら社会的要素に対する政府、社会および投資家の目は厳しくなっているからです。例えば、英国のある小売企業は、生産工場におけるコロナ感染対策が不十分だったことで社会的な信用を失いました。その後、同社は最低賃金や労務環境において基準を満たしていなかったことが明らかになりました。一つの不祥事が、更なる不祥事を明るみにするという負の連鎖で、株価は暴落しました。

一方で、当社の投資先企業に正社員雇用にこだわる、ある日本企業があります。人件費は重くなるものの人財こそ自社の強みであると考え、教育やキャリア開発を重視した経営を貫いてきました。これが結果的に定着率の向上につながり、スキルの高い人材によるサービスの提供が競争優位性になっていました。

そうした同社の経営姿勢は、コロナショック時の業績悪化局面では、コスト増につながるとの見方から、株価は大きく調整しました。しかし、コロナ危機後の回復局面では、同社の優れた人財管理に裏打ちされた競争優位性がさらに高まるとの見方から、株価は急反発、コロナショック前を上回る水準まで株価は上昇しました。

当社は、長期的な視点で、この企業の優位性は不変であると判断し、株価調整局面では、同社の株式を買い増ししました。これは、企業の優位性を評価するにあたり、ESGの視点を重視して銘柄選択しているからこその投資判断だと自負します。コロナ禍のような想定外のリスクが顕在化した局面では、特に「S」への取り組みに対する評価の重要性が高まりました。

貴社の具体的な運用戦略について教えてください。

石原アクティブ戦略では、「ジャパン・エンゲージメント戦略」と「ターゲット・ジャパン戦略」の二つがあります。「ジャパン・エンゲージメント戦略」は、企業の持続的な成長性を分析する過程でESGをダイナミックに活用し、エンゲージメントを通じて企業価値向上のための働きかけを行う戦略です。この場合の「ダイナミック」とは、ESGを画一的な基準で企業評価に用いるのではなく、個別の企業ごとに合わせた評価軸を基に分析していく「動的」なアプローチを指します。

「ターゲット・ジャパン戦略」は、2020年で運用開始から20年を迎えた当社を代表する戦略の一つです。国内の小型株を中心に、コーポレートガバナンス・コードが制定される以前から主にESGのGの部分を中心に投資先企業との対話を通じて、企業価値向上に取り組んできた長い実績を誇る戦略です。

日本株アクティブ戦略:2つの戦略

  • ジャパン・エンゲージメント戦略
  • 投資先企業へのエンゲージメントによる
    持続的な価値向上の支援を通じて、
    顧客資産の中長期的な成長を追求する。
  • ターゲット・ジャパン戦略
  • 企業の本源的価値からみて、割安な企業を発掘、
    投資先との対話を通じ、株主価値顕在化を促し、
    長期で安定した資産の成長を追求する。

#3 アムンディの強み

約200兆円の預かり資産の95%でESG投資を実践

ESG投資における貴社の歴史や強み、今後の展望について教えてください。

岩永アムンディは、責任投資のパイオニアを自負しています。先ほど「ターゲット・ジャパン戦略」が20年の実績を持つと説明しましたが、アムンディの責任投資への最初の取り組みは1989年に遡ります。その後、「ESG」という言葉が産まれ、06年の国連投資責任原則(PRI)で「投資」との関係が示されることになりました。

アムンディはこの原則の当初署名機関でもあります。03年にはすでにESGに特化したリサーチチームを社内に創設し、現状、世界約8000社の企業にESGの格付けを行う独自のシステムを構築しています。ESGに関連する企業とのエンゲージメントも実績を重ねており、その内容を14年からは、グローバルのコーポレート・ガバナンス・チームによる「エンゲージメント・レポート」として毎年公開しています。

アムンディのESG専門のチームは現在、パリを中心に東京を含めたグローバルな運用拠点で16人のリサーチおよびエンゲージメント担当者を擁するとともに、ESGのレーティング手法などの担当が5人、議決権行使および総会前の対話を担当する者が5人の計26人という体制です。

責任投資のパイオニアとして

※1 AuM は2020年3月末時点, ※2 PRI は6段階で評価を実施: A+, A, B, C, D, E, ※3 EXTEL: 欧州のバイサイド120社余りを対象にSRI・ESG調査に関するサーベイ毎年実施 ※4 IRRI - Independent Research Responsible Investmentは独立系リサーチ会社 ※5 Investor Awards 2017: アムンディは競合する40社の中からSRI賞を受賞

一方、運用資産は、約1.66兆ユーロ(約200兆円※)に達し、世界で1億人を超えるお客さまを抱えています。世界の約8000社超の企業に対し、7段階の評価による独自のESGレーティングを活用しながら、200兆円の預かり資産のうちの95%は何らかのかたちでESGの視点を取り入れた運用を行っています。

ESG投資に対するコミットメントをより強固なものにするため、2018年10月からの3カ年計画では、アクティブ・ファンドの運用や企業調査、議決権行使にESG基準を100%導入することなどを含め、ESGを運用の中核に据えることを表明し、目下、全社的にそのアクションプランを実行しています。

日本におけるESG投資の歩みは、まだ始まったばかりです。インベストメントチェーンを構成する当事者によってESGへのアプローチは異なりますし、さらに言えば、個別の企業や投資家、アセットマネージャーごとに最適解は異なるでしょう。大切なのは私たち一人ひとりがESGへの意識を高め、ESGを資本市場に定着させることではないでしょうか。それが資本市場での価格形成や需給に良い影響を与えていくと信じています。まずは一歩踏み出すこと。皆が歩き始めれば、それがより良い社会へ通じる道となるでしょう。当社は責任投資のパイオニアとして、日本におけるESGの先駆者であり続けたいと思います。

※ 運用資産額は、2020年9月末日現在。約1兆6620億ユーロ、1ユーロ=124円で換算。

  • 岩永泰典氏(左)
  • アムンディ・ジャパン チーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサー
  • 2014年にアムンディ・ジャパンに入社。1988年日本債券信用銀行に入行後、1997年運用業界に入り、バークレイズ・グローバル・インベスターズを経て、ブラックロック・ジャパンではグローバル・資産戦略運用部長、取締役CIOを歴任。アムンディ・ジャパンでは、入社来CIO兼運用本部長を務め、2020年7月から責任投資およびスチュワードシップ活動を統括するチーフ・レスポンシブル・インベストメント・オフィサーに就任。ペンシルべニア大学ウォートン・スクールにてMBA、EDHECリスク・インスティチュートよりPhDを取得。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会認定アナリスト。日本経済新聞出版社から共著「ESG入門」。2018年経済産業省TCFD研究会委員。2020年TCFDコンソーシアム企画委員。
  • 石原宏美 氏(右)
  • アムンディ・ジャパン 株式運用部長
  • 2018年12月にアムンディに入社。入社より日本株アクティブ戦略インベストメント・スペシャリストとして、国内外の投資家向けに戦略のマーケティングを担当。それ以前は、ニューバーガー・バーマンにてマーケティングに従事。デジタル・マーケティング、メディア・リレーション、ソートリーダーシップなどの発行といったマーケティング全般に加え、同社のESG投資に関するマーケティング活動を担当。それ以前は、大和キャピタル・マーケッツ・ヨーロッパにて欧州株式、大和キャピタル・マーケッツ・オーストラリアにて日本株式営業部に所属し、機関投資家向けの株式営業に従事。上智大学外国語学部卒業。

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